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ゆりゆりぐさ

要するにブログだな。

悪いことばかりじゃない

一か月前の話になってしまいますが、

認知症の母との日常を描き、ドラマ化・映画化された漫画「ペコロスの母に会いに行く」の母・岡野光江さんが、91歳で亡くなりました。

 

私も、この漫画を読んだことがあるんです。

大学の図書館にリクエストして、入れてもらったのでした。

ペコロスの母に会いに行く

ペコロスの母に会いに行く

 

 認知症というと本当に大変なイメージがあり、その日常を綴った本と言われると、時に殺伐とした苦労話が満載なんじゃないかって考えがちになります。

でも、漫画を読んでいると、本当に楽しかったです。

光江さんは本当に可愛いし、息子の雄一さんとのやりとりが面白いし。時には光江さんが見る空想の世界のエピソードみたいなものもあったりして、それがまた引き込まれましたね~。

漫画全体が九州の方言で綴られていて、それもまた地域というか、ふるさとの温かみを感じるような印象を受けました。

もちろんそればかりじゃなくて、認知症の家族と暮らすことの大変さだったり、光江さんが生きてきた人生の苦労も多数描かれ、作者の岡野雄一さんがいかに母の人生を大切に思っているのか、そんなことも感じました。

 

この漫画で特に共感を得ている部分は、光江さんが、亡きご主人が訪ねてくる幻を見る場面で綴られたセリフです。

ご主人はその昔、酒癖が悪く、光江さんは大変な苦労をされたようですが、晩年酒を断ってからは、とても穏やかな性格になられたとのこと。

自分が認知症になったが故に、そんな優しい主人が自分の元を訪ねてくるようになったのならば「ボケるとも悪か事ばかりじゃなかかもしれん」というのです。

 

ここではあまり詳しくは言いませんが、私は人と少し違う所がいくつかあるんです。感受性が人よりも強かったし、人づき合いが他の友達ほど上手くできなくて、特に義務教育時代は苦労しました。いじめもたくさん受けたし、学校に行きたくないという言葉を何度呑みこんできたことか。

でも、今思うのは、それらの時代が今の自分を形作っているかもしれない、ということです。痛みを知った分、他の人を大切にしようと素直に思える。乗り越えられたから、何にでも希望を見出そうと前向きに考えられる。

そして、人と違う感性を持ってるおかげか、他の人なら何となく受け流してしまうような日々の小さなことで、すごく感動出来たり。人生得してるかも、と今では思えるようになりました。

もし、普通の人のように何でも滞りなく出来るようになる代わりに、今の自分の感受性を失うことになるとしたら……普通にならなくていいか、と思います。

そんな自分だから、ペコロスの母・岡野光江さんの目を通して見る世界に、共感するのかもしれませんね。