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ゆりゆりぐさ

要するにブログだな。

「想像ラジオ」を読んで

実を申せばここ数年、私ゆりらは本離れが深刻でした。

中学生の頃までは学校で朝読書の時間があったので、その影響で本をモリモリ読んでいたのですが。高校生になって朝読書の時間が無くなり、また図書室も簡素であまり好みの本が置いてなかったことから、次第に読書から遠ざかっていきました。

しかし、最近少しずつ小説を読むようになってきたのです。

そのきっかけとなった本について、少し書かせていただこうと思います。

想像ラジオ

想像ラジオ

 

 実はこれ、東日本大震災を題材に書かれた作品なんです。私はこの本を、NHKのニュース番組で取り上げられて知りました。

高い杉の木の上に仰向けで引っ掛かったという男が「DJアーク」と名乗り、軽妙な語り口でオンエアされるラジオ。それは受信機も何もいらない、生と死の境目すらも無い、想像することで聞こえるラジオ。

正直、久方ぶりに小説に接したからなのか、小説の読み方を忘れかけている部分があったようで、よく分からないことも多かったです。

けれどとにかく、小説に対してあれほど想像力をフルに働かせたのはいつ以来だろう、と思う程に、読みながら小説の中のアレコレを頭の中に思い描きました。DJアークの声、彼の視界に捉えられた光景、響き合う魂たちの思い。

 

読書家の方々に比べれば、深刻な本離れに見舞われていた私の感想なんて陳腐な物に思われるかもしれませんが、そんな私でも感じたこと。

私たちは普段いかに、死というものを恐れ、遠ざけようとしていたのか。

この「想像ラジオ」はそれを気づかせ、今この世にいない者たちに思いを馳せることの大切さ、もっと言えば生きていることの意味を考えさせてくれた気がします。

そしてDJアークの最後を見届けた時、目頭が熱くなるのを感じました。

何も亡くなった人に限った話ではないと思います。遠くに住んでいる人、最近音沙汰の無い人、顔も知らない人、けれど自分にとって大切な人。

あの人達は今どうしているのか、いつか会えた時、彼ら・彼女らに心からの笑顔で向き合える私でいられるか。そう考えるだけで、今より強く優しくなれると信じてやみません。

 

では、小説中に流れる想像ラジオのジングルで〆と参りましょう。

 

想ー像ーラジオー。