ゆりゆりぐさ

要するにブログだな。

読書感想画・銀河鉄道の夜

もうすぐ12月。秋も終わりなんですね。

今年の私に言わせれば、芸術・創作の秋でした。

そんな今秋描いた中で一番の大作を載せようと思い立って記事を上げました。

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宮沢賢治の文学作品『銀河鉄道の夜』を読んで描いた、いわゆる読書感想画。

しかも実はこれ、私が小学6年生の時に描いた同じ絵を、構図などはある程度そのままに、今の自分の画力でリメイクしてみたというやつです。いつもイラストは違う画材を使っているのですが、この絵は当時と同じように画用紙に水彩絵の具で描きました。

描いたのは、まさにジョバンニとカムパネルラが銀河鉄道に乗って旅している場面と、車窓から見える宇宙や星々の景色でした。

校内の読書感想画コンクールで優秀賞に選ばれ、しばらく図書室前の廊下に展示されていたことが当時とても誇らしかったのを覚えています。

当時の絵が手元に残っていれば、比較が出来て面白かったんですけどね(^^;)

 

リメイクしながら思いを馳せていたのは、当時の自分の感受性でした。

当時この絵を描くために参考にした場面が、大体この辺りです。

「月夜でないよ。銀河だから光るんだよ。」ジョバンニは云いながら、まるではね上りたいくらい愉快になって、足をこつこつ鳴らし、窓から顔を出して、高く高く星めぐりの口笛を吹きながら一生けん命延びあがって、その天の川の水を、見きわめようとしましたが、はじめはどうしてもそれが、はっきりしませんでした。けれどもだんだん気をつけて見ると、そのきれいな水は、ガラスよりも水素よりもすきとおって、ときどき眼の加減か、ちらちら紫いろのこまかな波をたてたり、虹のようにぎらっと光ったりしながら、声もなくどんどん流れて行き、野原にはあっちにもこっちにも、燐光の三角標が、うつくしく立っていたのです。遠いものは小さく、近いものは大きく、遠いものは橙や黄いろではっきりし、近いものは青白く少しかすんで、或いは三角形、或いは四辺形、あるいは電や鎖の形、さまざまにならんで、野原いっぱい光っているのでした。ジョバンニは、まるでどきどきして、頭をやけに振りました。するとほんとうに、そのきれいな野原中の青や橙や、いろいろかがやく三角標も、てんでに息をつくように、ちらちらゆれたり顫えたりしました。

出典:青空文庫より

http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/456_15050.html

このように描かれていたのですが、当時の私は鉄道関連に特別な興味が無かったため、三角標って何だろう、でも燐光って描いてあるからきっと、キラキラした美しいものであることは違いない!とそれだけを思って、いろんな色のキラキラ輝く三角を画面いっぱいに散りばめたのでした。

わりと最近知ったのですが、三角標とは測量に使われる測標で、賢治は夜空に並んで星座を形作る星々をその三角標として扱ったそうで。だからこの絵のように、やたらびっしり置かれているのはおかしいということになるのですけど……

そんなことどうでもいいや。

だって、そこに美しい世界があるんだから。

今の私は作品を作る時、どこか細かい所が間違っていないか、収まりが悪くておかしくなってないかとつい気にしてしまうもので、それに囚われず、自由に空想の翼を広げてどこまでも飛んで行ったあの頃の自分に、少し憧れるところがあります。