ゆりゆりぐさ

要するにブログだな。

「のぼれ!すすめ!高い塔」を聞いて

もう2年近く前のことなんですが、私の大好きなボカロP・音楽クリエイターのきくおさんという方について、記事を書いたことがありました。

今回はそのきくおさんが最近発表された曲で、特に衝撃を受けたものについて書いてみたいと思います!

 

記事のタイトルにも書きましたが、曲名は「のぼれ!すすめ!高い塔」

きくおさんと、歌い手の花たんさんのコラボユニット「きくおはな」のアルバムの中の一曲で、漫画家・イラストレーターなどとして活躍されている西島大介さんの描き下ろし絵をもとに動画化してあります。

花たんさんが歌ったものと、ボーカロイド初音ミクが歌ったものの2バージョンが公開されていますが、今回は初音ミクバージョンをご紹介しましょう。

 



この曲を初めて聞いた時の衝撃は本当に鮮烈なものでした。

「きくおさん、ここまで皮肉たっぷりに人間の歴史を表現し尽くすか……!」といった具合です。

ある日立った大きな塔とは何か。皆笑顔で登って行ったのは何故か。雲の上まで登った先にいた、地獄の建設現場の鬼とは何者か。しばかれて打ちひしがれた者に降り注いだ幸せな雨とは何か。塔にぶつかった大きな鳥とは。

これらを独特の軽くて狂気的なきくおサウンドに乗せられながら、つらつらと解釈を進めた時、私はどうしても人間社会や文明といった物を思わずにはいられませんでした。

権力を持つ誰かのために多くの人が犠牲になり、持てる者はその地位や財、名声の虜になる。だからそれらの無い下級の暮らしには降りないし、社会や文明が崩壊すれば、高い所にいる者ほど大きな落差で粉々になる。

そして最も衝撃を受けたのはラスト。全てが崩れ、長い長い年月が過ぎた頃、遺跡から発掘された幸せの雨の化石。雲の上には素晴らしい物があるらしいと解き明かされ、そして歴史はまた堂々巡りしていく……。

この曲への反響は並ではなかったようで、ニコニコ動画に上がった動画へのコメントでも「バベルの塔」「資本主義」「ブラック企業」「人間の歴史の集大成」といった感想が続々と寄せられています。

個人的にはきくおさんのボカロ曲は、幻想味の強い作品が秀逸というイメージを勝手に抱いていたのですが、人間に対するアイロニーを巧みに表現してしまう、きくおさんの引き出しの多さというか表現力というか、本当に尊敬してしまいます。

きくおさんもそうですが、この動画のために描かれた西島さんのイラストもすごいんです。なんせその栄枯盛衰の物語を、一枚の画面の中に全て描ききってしまうんですから。動画ではその一枚絵をズーム・スクロールして作られています。

 

人間の怖さや愚かさ、表現者にとって永遠のテーマなんですね。。。