ゆりゆりぐさ

要するにブログだな。

Miiファイター物語で泣いた話

ちょうど2ヶ月ほど前、YouTubeのゲーム実況グループ・漫言放語研究所(以下:研究所)で開催されたイベント「お絵描き祭り2017」にてアナログイラスト部門大賞をいただいたことを当ブログで報告させていただきましたが

yuriyurigusa.hatenablog.com

今回はその研究所の、特に強烈な印象を受けたとある動画について書かせていただこうと思います。

初めて見たのはもう何年も前でしたが、ようやく今になって感じたことをきちんと言葉にまとめられそうだと思って記事にさせていただく次第です。

 

任天堂のゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズfor WiiU」の映像を織り交ぜながら製作された紙芝居風オリジナルストーリー動画シリーズ『Miiファイター物語・勇者と契約の剣』です。

ざっくりとあらすじを紹介すると、突然王国に現れ「世界を滅ぼす」と宣告した魔王を倒すべく、王子ルシオン(演:研究所のメンバー・ルシオンさんご本人)が冒険の旅に出るという、冒険ファンタジーの王道そのものといったストーリーです。

最初の方はかなりユルめのギャグ調で話が進んでいきますが、中盤あたりから魔王よりもはるかに凶悪な者たちが暗躍を始め、序盤で活躍したキャラクター達が次々にいなくなり、世界の秘密が明らかになり、物語は深みに向かって急傾斜していきます。

そんなMiiファイター物語の中で、特別に私の心を強く捉えて離さないエピソードがあります。

第10話「TRAGEDY」という回です。

※動画を貼っておきますが、グロテスクなシーンを含みますので苦手な方はくれぐれもご注意を。。。


【手描きスマブラWiiU】Miiファイター物語・勇者と契約の剣~第10話『TRAGEDY』

このエピソードの主役は、主人公ルシオン王子に道中で何かと助力してきた、聖剣の守護者・タケコEX。

世界で見受けられた良からぬ予兆に胸騒ぎを感じて、同じく守護者で双子の妹・トシコDXがいる封印の谷へと向かいますが、妹は既に邪悪な者たちの手に落ちていました。

妹を助けようと果敢に挑むも返り討ちにあうタケコEX。そしてあろうことか、妹は身体を操られて、姉を殺そうと襲いかかってきます。

瀕死の重傷を負い、一時は動かなくなるタケコEXでしたが、幼き日に妹と交わした「いなくなった両親の代わりにアタシがお前を守る」という約束を思い出して再び立ち上がり、彼女の身体を操っていた頭の矢を抜くことに成功します。

が…時すでに遅く、妹トシコDXの命は今にも尽きようとしていました。彼女は最期に「私、姉さんの妹に生まれてこれてよかった。アンタは私の自慢の姉だ」と言い残し、姉の腕の中で絶命。王冠を残して消えてしまいます。

約束を果たせなかった姉タケコEXは、泣き叫ぶより他ありませんでした……。

 

この話を初めて見た時は、私も泣けて泣けてたまりませんでした。

傷ついた妹を助けてあげられなかった姉タケコはどんなに悔しかっただろう。そして、不条理の中で死んでいった妹はどんなに苦しかっただろう。誰も救ってあげられない2人の悲しみに、何度見てもその度に胸を強く締めつけられました。

このシリーズは2年ほどの間休止していたのですが、昨年夏に制作が再開。それを機に1年近くぶりにこの話を見返した時、それまでと違う感じ方をしました。

妹・トシコが死の間際、わずかに微笑んでいたのが心に留まったのです。

命を弄ばれ、傷つけたくない姉を傷つけ、それでも命がけで自分を助けてくれた姉を1人残して、自分はもうすぐいなくならなければならない。

悔しい、悲しい、やりきれない、無念、絶望……そんな言葉を百も千も並べたところで、彼女の胸の内に巣食ったものを表現するのは不可能な気がします。

そんな時に彼女は、静かに笑っているのです。ただただ、助けてくれてありがとう、姉さんの妹でよかった、今まで本当にありがとう、と感謝し続けるのです。

なんて強くて優しい人なんだろうと思いました。生半可な心の強さではありません。仮に自分が似たような目にあったら、きっと最後まで全てを恨み続けるかもしれません。

以前このブログで扱った、谷山浩子さんが人魚姫を取り上げながら書いたエッセイの中に「どんなに理不尽でも、押しつけられた不幸から抜け出して幸福になるためには、自分の縮こまった心を自分自身で大きく広げていくしかないのです。」という内容がありましたが、この話のトシコさんはそれを本当によく体現していると感じました。

彼女は悲しき弱者なんかじゃない。強く優しい心を持った守護者として、最後まで立派に生き抜いていったのです。

もしも、こんな彼女にただ1つでも救いがあったとするなら、最期の瞬間が、大好きなお姉さんの記憶に満ちていたことかもしれません。せめてそうであってくれと思わずにいられません。

 

このエピソードの最後、激しい憎しみに駆られ「殺してやる・・・!」と叫ぶシーンを最後に、姉タケコEXの消息は分からなくなります。

彼女は、今どこで何をしているのか。。。

 

 

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最期のシーンに寄せて描き、ツイッターにて公開したイラストです。

動画の作画では目を閉じていた彼女でしたが、自分の受けた印象のままに描いてみると、わずかに目を開けた表情になりました。

せめてその時が訪れる前に、少しでも姉の姿を感じていてほしい、と描いている間に思っていたのかもしれません。